具体的な取組み「アニマルウェルフェア」

アニマルウェルフェアは、快適性に配慮した家畜の飼養管理のことで、 国際機関の勧告では、①飢え、渇き及び栄養不良からの自由、②恐怖及び苦悩からの自由、③物理的、熱の不快さからの自由、④苦痛、傷害及び疾病からの自由、⑤通常の行動様式を発現する自由、という5つの指針を示しています。

アニマルウェルフェアについては、これまで、国から示された基本的な考えのもとに民間団体がガイドラインを示していました。今般、輸出拡大やSDGsの対応など国際的な動向も踏まえて、国自らが指針を示すこととされ、令和5年7月26日に農林水産省からアニマルウェルフェアに関する新たな指針「畜種ごとの飼養管理等に関する技術的な指針」が公表されています。

また、飼養管理がこのアニマルウェルフェアの考え方に対応してい るかどうかを定期的にチェックするためのチェックリストも参考として示されています。

国が行った5年度の試行調査では、指針に掲げられた多くの項目について適切に実施されていますが、飼養管理に関する記録、除角、去勢や蹄の管理、繋ぎ飼いでの運動の工夫に課題がある生産者が少なくなく、アニマルウエルフェアの指針の普及や定期的な飼養管理の確認、緊急時の体制作りなどと合わせ改善を図っていく必要があります。

当協会では、国の支援もうけて、昨年から指針に沿った除角や去勢の具体的な方法の検討を進めており(関連情報参照)、今年度は繋ぎ飼いでの運動の工夫についても検討することとしています。


新たな「肉用牛の飼養管理に関する技術的な指針」の概要


(公社)畜産技術協会が肉用牛でのアニマルウェルフェアをわかりやすく解説したパンフレット「快適性に配慮した肉用牛の飼養管理」を配布、公開しています。


令和5年9月に公表された新たな技術的な指針について解説いただいています。


「アニマルウェルフェアに関する新たな国の指針について」

農林水産省 畜産局 畜産振興課 課長補佐 眞壁七恵
(2023年9月22日オンライン情報交換会から)


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