生産者積立金融資事業

概要

生産者積立金融資事業は、子牛価格の異常な低落により肉用子牛生産者補給金制度における生産者補給金の交付財源たる生産者積立金に不足を生じた場合、当協会が都道府県肉用子牛価格安定基金協会に対して不足額を融資する事業です。


生産者補給金の交付財源は、平均売買価格が合理化目標価格を上回っている場合は、保証基準価格との差額の全額が農畜産業振興機構から都道府県肉用子牛価格安定基金協会に対して交付される生産者補給交付金によって賄われます。


また、平均売買価格が合理化目標価格を下回る場合は、この生産者補給交付金のほかに、下回る部分について指定協会の保有する生産者積立金によって賄われることになっています。生産者積立金融資事業は、大幅な子牛価格低落などにより、この生産者積立金に不足を生じた場合に、本協会が融資準備財産を財源として指定協会に対し、必要な資金を無利子、償還期限8年以内で融通する事業です。


運営状況

牛肉の輸入自由化により平成2~7年度にかけて短角種・乳雄等の肉用子牛価格が大幅に下落したことで、生産者補給金の交付財源である生産者積立金が不足し、平成6年度の約335億円を最高に、平成3年度から平成7年度の間に約649億円を融資しました。

平成7年度後半からは短角種・乳雄等の価格が回復傾向にあり融資の必要はありませんでしたが、平成11年度から平成12年度にかけて短角種の価格が下落したために12県に対し約4,700万円の融資を行いました。

平成13~16年度においては、口蹄疫、BSE発生の影響を受け、各品種区分とも子牛価格が下落しました。中でも、乳用種については下落が大きく生産者積立金が不足し、約29億円の融資を行いました。詳細は下記のとおりです。

なお、平成16年度は、業務対象年間の最終年度でもあり、貸付額の繰上償還が下表のとおり3億5,600万円ありました。

平成17年度~21年度は、貸付金がなく、償還が3億1,900円 (平成17年度)、2億9,000万円(平成18年度)、16億300万円(平成19年度)、9,100万円(平成20年度)、3億70万円(平成21年度)ありました。

平成22年度は貸付金、償還金ともありませんでしたが、平成23年度に7年振りにその他肉専で43,567円の融資を行いました。

平成26年度に償還が43,567円ありました。

平成27年度から令和元年度までは貸付金、償還金ともありませんでしたが、令和2年度に9年振りにその他肉専用種で1,326,620円の融資を行い、年度内に全額繰上償還がありました。

令和3年度から4年度までは貸付金、償還金ともありませんでした。


年度 融資額 償還額
褐毛和種 その他肉専 肉専以外 合計
乳用種 交雑種
3 548,533,415 548,533,415 690,244,534
4 942,506,467 3,111,765,623 4,054,272,090 681,187,082
5 634,895 1,082,008,480 15,753,938,481 16,834,413,564 4,714,135,512
6 1,991,229 756,436,976 32,752,869,148 33,513,465,645 15,056,489,449
7 224,643,904 9,694,726,071 9,919,369,975 32,819,828,680
8 8,628,955,539
9 509,609,192
10 48,303,955
11 932,384 932,384 157,793,404
12 46,428,555 46,428,555 1,717,322
13 289,394 289,394 2,169,535
14 44,874,023 44,874,023 23,089,124
15 2,719,675,419 2,719,675,419
16 176,106,426 176,106,426 356,659,322
17 319,906,726
18 290,879,438
19 1,603,755,862
20 91,029,334
21 300,714,090
22
23 43,567 43,567
24
25
26 43,567
27
28
29
30
1,326,620 1,326,620 1,326,620
合計 2,626,124 3,602,860,368 64,254,244,585 67.859,731,077 66,297,838,287

注)融資額合計と償還額合計は、肉用子牛生産者補助金制度以前の分も引き継いでいる等のため一致しない。