岩手大学農学部の村元先生から、日本短角種の特長等に係るこれまでの分析結果について取りまとめていただきましたのでそのポイントをご紹介します。
<日本短角種の特長等に係るこれまでの分析結果のポイント>
「日本短角種は配合飼料制限給与または地域自給飼料だけで肥育できる」
日本短角種の肥育では、配合飼料の給与量を慣行肥育の60%まで制限しても、配合飼料の替わりに地域内で自給可能な飼料だけを給与しても、牧草サイレージを飽食させれば、慣行肥育と同等の成績の枝肉が生産できる。
「放牧で仕上げた日本短角種の牛肉品質は高い」
日本短角種の肥育の仕上げに放牧を行うと、抗酸化ビタミンであるビタミンEおよびβ―カロチンの含量が高い牛肉となり、貯蔵中のドリップロスが少なくなり、また脂肪酸の組成が推奨値を満たすようになる。
「山下げ後の肥育期間は短い方が牛肉品質は高い」
日本短角種経産牛の牛肉品質、特に抗酸化性を維持させるためには、山下げ後の肥育期間を165日未満にする必要がある。
「消費者は好みに合った品質の日本短角種牛肉を選ぶことができる」
岩手県内の4生産地の日本短角種牛肉の肉色安定性、軟らかさ、脂肪含量および風味は異なるため、消費者の好みに合った品質の日本短角種牛肉を選ぶことができる。
「日本短角種牛肉は生産地で入手可能なイワテヤマナシの果汁で軟らかくできる」
日本短角種牛肉をイワテヤマナシの果汁に浸漬して加熱すると軟らかくすることができ、これは日本短角種の生産地で入手可能な資源で行うことができる。
「日本短角種牛肉は生産地で入手可能なサルナシの果汁で軟らかくできる」
日本短角種牛肉に完熟したサルナシの果汁を塗布すると軟らかくすることができ、これは日本短角種の生産地で入手可能な資源で行うことができる。