基本計画では、昨年改正された基本法において基本理念として示された「食料安全保障の確保」、「農業の持続的発展」、「環境と調和の取れた食料システムの確立」、「多面的機能の発揮」、「農村の振興」について、その実現を図るための基本方針や目標、講ずべき施策が示されています。
肉用牛生産については、生産量の目標を現状の36万トンから2030年には37万とし、消費拡大に向け脂肪交雑の強みを維持しつつ、多様な消費者ニーズをとらえ、適度な脂肪交雑で、脂肪の口溶け、香りなど消費者に訴求可能な食味を追求するとしています。生産面では、生産コストの低減・生産性の向上、労働負担の軽減、肉用牛生産基盤の弱体化防止とともに、持続可能な和牛生産に向けた改良基盤の充実・強化、輸入飼料の過度な依存からの脱却、温出効果ガスの排出削減、アニマルウエルフェアに配慮した飼養管理が必要とし、新技術開発、早期出荷の取組みの推進、スマート農業技術やデータ活用、遺伝的多様性の確保や高齢繁殖牛の更新、耕畜連携の促進や外部支援組織の運営の強化などを推進するとしています。
また、環境との調和の関係では、2月の公表された地球温暖化対策計画でもの掲げられた畜産分野の温室効果ガスの削減目標も示され、「みえるらべる」やJクレジットのの普及も目標とされ、GX(グリーントランスフォーメ―ション、脱炭素社会に向けた取組み)の推進プランの作成や環境直接支払い交付金の創設等が掲げられています。
酪肉近では、この基本計画を受け。より具体的な取組みの方向性や生産量、地域別の飼養頭数の目標や経営指標が示され、改良増殖目標では改良目標や繁殖性の向上、適切な飼養管理、出荷の早期化などの取組みが示されています。